「オタク左翼」としての日本共産党

選挙後の総括について日本共産党のサイトを見てみた。
総選挙の結果について
2005年9月12日 日本共産党中央委員会常任幹部会
http://www.jcp.or.jp/giin/senkyo/2005_syuin/20050912_com.html

今回の総選挙で、日本共産党は、改選前の9議席を確保しました。比例代表選挙で、得票率を若干減らしたものの、得票数を伸ばし、492万票を獲得しました。この結果は、善戦・健闘といえるものです。常任幹部会は、ご支持をいただいた有権者のみなさん、猛暑のなかで奮闘された支持者、後援会員、党員のみなさんに心からお礼を申し上げます。

共産党ほど、現状分析能力がない政党もめずらしい。「比例代表選挙で、得票率を若干減らしたものの、得票数を伸ばし、492万票を獲得しました」とあるが、投票率が高いから得票数が伸びるのは当然であり、「比例代表選挙で、得票率を若干減らした」という事実を分析することが大切である。
同サイトより

 今度の総選挙は、小泉首相が周到な計画をもって奇襲的に仕掛けてきた選挙であり、"小泉突風”がふきすさぶ難しい条件のもとでのたたかいでした。

「奇襲的に仕掛けてきた選挙」とあるが、これも小泉首相は、何度も、郵政法案が否決されれば、解散すると言っていたのであり奇襲とは思えない、そう考えるのであれば、それは分析力の欠如ではないだろうか。
同サイト

わが党が、難しい条件のもとでの選挙に正面からたちむかい、「政権交代」を呼号した民主党議席を大きく失うなかで、得票を増やし現有議席を確保したことは、この間の国政選挙での連続的な後退を押し返したものであり、今後の本格的な前進を築くうえで重要な土台となるものだと考えます。

これにはあきれてしまう。楽観的というか、得票数は投票率から考えて増えなければおかしいことである。「後退を押し返した」とは到底言えない結果だろう。

情勢は、「たしかな野党」としての日本共産党の奮闘を求めています。わが党は、新しい国会で、郵政民営化に真っ向から反対をつらぬき、庶民大増税憲法改悪を許さず、国民のくらし・平和の守り手として、「野党としての公約」を実行するために全力を尽くします。

「たしかな野党」というコピーは、共産党が「オタク左翼」路線をとったことを示すのだろうか。「野党としての公約」が「政府への反対」だけであれば、それは、実現できても日本の幸福にどれだけつながるのだろうか。孤立無援の政策をユートピア的に論じても、国民の気持ちをどれだけとらえられるのだろうか。