光景

何が真実なのかが分かりにくい時代に、プロパガンダの嵐がふきあれている。ルサンチマンの渦巻く国で、殺戮の重層構造が描かれ、無為徒労という結果のシカバネが沈殿する。

正義と自由と民主主義がなだらかに傾斜する国では、前方後円墳の死霊がダンスする。みなさんは子孫の繁栄を願いながら呪いの目をする人々が見えるであろうか。

パルチザンの群れが砂漠を走り、服従の赤き軍隊が恐怖心を隠して女郎蜘蛛のごとき足取りでかさかさのカサブタはがしにやって来る。

舞い上がる砂じんに映る終末の影は、愛を語ることを忘れた白鷹によって、切り刻まれる。
僕にはそのような光景が見える。