左側はストに喜んでばかりはいられないのでは

野球観戦には年間1度くらいでも行けばいい方である。ということで、苦手な野球の話題を書いてみる。例のストライキ問題である。妄想のいわゆる左翼的な人々は、ストライキを野球労働者が行うことに賛成をしているようであるが、プロ野球選手は個人事業者に分類され、単純に労働者という規定にあてはまるかは疑問符がつく部分がある。ここいらの議論は少ないが、以下のサイトで検証してはどうだろう。
プロ野球選手スト 違法か適法か「労働者」定義 割れる見解
http://www.chugoku-np.co.jp/baseballdome/l040909e.html

労働組合法では、労働者を「賃金、給料、その他これに準ずる収入によって生活する者」と定義する。プロ野球選手は税法上では個人事業者に分けられる。個人の技術や能力をもとに球団と契約し、年俸を各自で交渉している点などが、一般の労働者と異なり、「歌手や芸能人と同じ」と主張。さらに、今年のペナントレース開幕時の一軍登録選手の平均年俸は約七千万円で、「(金額が)労働者というレベルを超えている

このようなことより重要なことがあるように感じている。今回のプロ野球選手会の提案は、まずは、6球団を存続させるためには、野球経営への参入の垣根を低くしてくれということだろう。つまりプロ野球経営の構造改革であり、「規制緩和」なのではないか。
ストライキ決行のお知らせ
http://jpbpa.net/jpbpa_f.htm?news/index.htm

つまり、(1)球団削減により多くの移籍、解雇が出る可能性のある選手の労働条件、(2)球団統合による球団数減少を元に戻すための新規参入の促進、(3)さらなる球団削減を防ぐための制度作り(ドラフト改革、収益分配)のための協議が必要であり、その十分な協議のためにも統合を1年凍結しての話し合いが不可欠であると主張してきました。
 この2日間の交渉で大きな問題となったのは、1.パ・リーグが5球団の場合と6球団の場合での交流試合を前提とした収支の違いに関するシミュレーションを踏まえて大阪近鉄オリックスの球団統合の1年延期が可能かどうか、2.球団統合を行う場合の2005年シーズンに向けての新規参入球団の積極的受け入れ、3.統合に伴う選手の移籍の条件の3点でした。

このことから考えると、プロ野球選手会構造改革をすすめようとするかの小泉首相であり、オナー側は抵抗勢力となる。だからこそ、言うのだが、「ストライキをする」という表面的事象のみで、労働者の権利の行使だと称賛する一部左側は、麻痺状態ではないだろうか。このことをプロパガンダとしてとりあつかうことは、その後に重大なしっぺ返しが来るということである。
さらに、選手会側も、プロ野球構造改革を推進しようとしている意識が薄い。規制の緩和は、さらなる過酷な競争が待っているのだが、そのことについては意識がはたらいていないようで、まずは、雇用の確保のみに目が移っている。ここらへんが、百戦錬磨の小泉さんと古田さんの違いだろう。
付記
サンパウロ市で現地の日系ブラジル人らを前にあいさつし、涙を流す小泉首相=AP
http://www.asahi.com/politics/update/0916/002.html

 「言葉も気候も違う中で、どれだけ苦労されたか……」。ブラジル訪問中の小泉首相が15日午前(日本時間同夜)、サンパウロ市で現地の日系ブラジル人ら1200人を前にあいさつした際、感極まって声を詰まらせる場面があった。
 首相は、14日にヘリコプターで農場を視察したエピソードを紹介。その際、日系人らによる「歓迎 小泉総理」と書かれた大文字での歓迎を上空から見た。首相は上空から花束を投げる予定だったが、「花束だけでは申し訳ないと思い、思わず『降りられないか』とパイロットに頼んだ」。近くの運動場に急きょ着陸して歓迎を受けた。

例のブラジル美談の小泉首相だが、あの涙は、彼の政権末期の象徴のように思えた。それは、日本での小泉人気に凋落のために、歓迎の表現に感動したとしても、誰かの思いつきの「歓迎 小泉総理」のに気をよくしたとしても、ここは、一発奮起の演技に走ったとしても、空から歓迎者に向けて花束というのはどうだろうか。農場という大地が現場の視察であれば、最初から、大地の目線で行っていただきたいものである。空から花束か。