「国が燃える」本宮ひろ志

本宮ひろ志の「国が燃える」の南京事件(大虐殺)のことで、この漫画での本宮の過剰な表現にからんで論議されている。他のサイトでも同様な論争があるかもしれないが、clawさんとigaguさん。

▼CLick for Anti War 最新メモ  id:clawさん
国が燃える』は止められない
http://d.hatena.ne.jp/claw/20040927
本宮ひろ志国が燃える』がサヨクだってさ(プッ)
http://d.hatena.ne.jp/claw/20040929

Where there is a will,there is a way. id:igaguさん
http://d.hatena.ne.jp/igagu/20040927
http://d.hatena.ne.jp/igagu/20040929

igaguさんの日記を読むと、南京事件での日本人の蛮行は認めながらも、本宮の過剰な表現(描き方)に問題意識をもっておられるのだろう。
clawさんは、祖父の体験談からも南京事件への思いは強く、本宮の過剰な表現は認めつつも、(それが本宮なのだからということ)、本宮の描く世界観(「孫文の大アジア主義」と「五族協和」)から遊離して、本宮を叩く愚かしさ(本末転倒)を笑っておられるのだろう。

僕の感じとしては、本宮の過剰表現があるとして、「孫文の大アジア主義」と「五族協和」という壮大な目標を前にして、南京での日本兵の蛮行は、その行為の愚かしさ、つまり、戦争で起こりがちな大理想からはずれた行為をクローズアップすることで、物語を際立たせる役割があったように思う。
だからといって、史実に反することを描いていいのかということである。本宮がどれほどの資料を集めたのか、どれを参照しながら描いたかは知らないので何ともいいようがない。そのような資料があったとしても、その資料の信憑性の問題があり、その信憑性をどれだけ検証して本宮が描いたかが問題になる。

僕の日記から「亜細亜主義」関連
亜細亜主義」と「魂」
http://d.hatena.ne.jp/junhigh/20040228
亜細亜主義
http://d.hatena.ne.jp/junhigh/20040229

ところで、次のような「抗議」運動が起きているらしい。
本宮ひろしと集英社に抗議を!
http://sakura777.web.infoseek.co.jp/motomiya-shuueisha.html

僕としては、現在、抗議の予定はない。
にわかプロらの格好の餌食になるとしたら、本物はそれに抗議しないものだろうか。
ただ、僕は本宮を賛美する気持ちもない。なぜって、僕にとって本宮は「男一匹ガキ大将」の前半でとどまっているから。


南京事件・関連史料
http://www.history.gr.jp/nanking/books.html