日本の反応

一応、日本側の態度表明について

石破防衛庁長官会見概要 平成16 年9 月17 日1051 1102

Q:アメリカのパウエル国務長官イラク戦争開戦の根拠となりました大量破壊兵器の発見を断念したという発言があったのですが、これついて大臣はどのようにお考えですか。
A:これは全文を英語で入手しておりませんので、断念というようなご発言があったかどうかということについて、英語のニュアンスも含めてきちんと全文を読んでみないと断片的なことで論評するということは適切ではないと思っています。ただ、報道で知る限りでご返事するのは大変失礼かと思いますけれども、イラク開戦というのは国連憲章において定められているところの決議に則って行われたものであるということを申し上げているのは、ご存じのとおりで
ございます。国連決議678、687、1441というものは、何度も国会で答弁したことでありますが、論理的に整合するものと私自身考えております。したがいまして、大量破壊兵器が見つかる可能性が少ないと訳すか、これをどう訳すかというニュアンスの問題ですけれども、このようなご発言と開戦に至ったということの正当性というのは、これは別個の問題であるというふうに認
識しております。
Q:今、大臣はイラク開戦の正当性について国連決議の観点から触れましたけれども、この国連決議の観点からアナン事務総長が国連の正当性を踏まえて疑義があるような発言を報道機関にしているということもございますが、その辺のところはいかがですか。
A:これも全文を読んでみないと判りません。それは部分部分を取って繋ぎ合わせると、実際全文のご発言と違う場合が多々ありますので。BBCが全文を出してくれるかどうかそれはまた別の問題です。したがって、同じように報道だけでお答えをして失礼なことかと思いますけれども、これも従来政府として国会で答弁をしていることですが、事務総長のご発言というのは非常に重いものであり、そういう立場におられる方がそういうご発言をされるということは、その重さというものは我々として、国連の主要な一員として当然認識をすることだと思っております。他方、国連の仕組みとして、これは「そもそも国連とは」という議論になりますけれども、その決議の有権解釈を行う者は誰であるかというと、それは安保理理事国のメンバーが有権解釈を行うという立場におります。国連の仕組みというものはそういう仕組みになっておるわけであって、その有権解釈をどのように行っているか、それはアメリカ合衆国であり、あるいは連合国であり、その国において先程申し述べたような国連決議678、687、1441というものに基づいて国連憲章の定めたところの国連決議に従って有権解釈をしており、私ども政府としてもそのような見方をしているとい
うことでございます。事務総長のご発言が、そういう立場の方がそう仰ったということの重みということと、有権解釈を誰が行うのかという国連のシステムの問題を合わせて考えるということだと思っております。


外務大臣会見記録
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/kaiken/gaisho/g_0409.html#5-C

アナン事務総長発言
(問)イギリスのBBCのインタビューの中で、国連のアナン事務総長がイラク戦争について国連憲章に合致していない、違法だったと明言されていますが、この件についてどのように思いますでしょうか。

外務大臣)日本政府としては、これは違法だとは考えていません。これまでずっと国会で説明をしてきたように、一連の国連決議があるわけです。678、687、1441。1441で満場一致でイラクがそれまでの決議に継続的な違反を繰り返していることが認定された、皆で一致して認定したわけです。イラクには最後の機会があったわけですが、イラクがそれを使わなかった。米国のこの場合の行動は、国連憲章に合致していると思っています。

(問)昨日の日本記者クラブでの発言についても報道されていますが、今、述べられたように米国を支持したのは、国際法的に問題がなかったと判断されたということですが、国連憲章に対する解釈は国連事務総長と日本側とでは違うということでしょうか。

外務大臣)アナン事務総長がそのようなことを述べられたようですが、これは国連安保理決議なのです。もちろん事務総長というのは国連の中で、国際政治の中で大変に重要な役割を果たしておられる方ですが、安全保障理事会が行った決議ですから、この有権的な解釈というのは安全保障理事会にあるということです。ということは、安全保障理事会には15カ国あり、安全保障理事会の理事国がそれぞれ有権的な解釈を行います。実際に米国、英国の数カ国と他の国と対立したということはありましたが、安全保障理事会が全員まとまってこっちの解釈が正しいということを別途言っていないわけですから、英米が行う解釈は有権的な解釈であるということです。日本も国連のメンバーとして、これをそのように解釈しているということです。

イラク開戦とは別個の問題=大量破壊兵器未発見でも−石破防衛庁長官
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040917-00000720-jij-pol

 石破茂防衛庁長官は17日の閣議後の記者会見で、イラク大量破壊兵器発見を断念するとのパウエル米国務長官の発言について、「英語のニュアンスを含めて発言内容を確認する必要がある」と前置きした上で、「イラク開戦は国連憲章で定められた決議に基づくものだ。開戦に至った正当性とは別個の問題だ」と述べ、大量破壊兵器が未発見でも問題ないとの認識を示した。 

川口外相:
イラク戦争は正当だったとの考え強調
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/kokkai/news/20040917k0000e010052000c.html

川口順子外相は17日午前の閣議後会見で、国連のアナン事務総長がイラク戦争は違法との見解を示したことについて、「日本政府としては違法と考えていない。一連の国連決議があり、(安保理は)満場一致でイラクが継続的な違反をしていると認定している。アメリカの行動は国連憲章に合致していると思う」と述べ、イラク戦争は正当だったとの考えを強調した。