「ファルージャから」JANJANの記事

ファルージャから」という記事がある。記者は山村雅康さんである。
「囚われのファルージャ
http://www.janjan.jp/world/0411/041110579/1.php
この記事を読んで、この緊急メールを知らなかったので、ネットで調べてみると、けっこうに話題のメールであった。
このサイトが元ネタのようである。
http://ac-net.org/honor/doc/041107-kidnapping-faluja.php
(原文次郎 訳)
記事の内容を読んでもらうとわかるように、
記事の本文としては最初の

イラクファルージャで一体何が行われているのだろうか。そして、起こっている何かを救うためには僕たちには何ができるのだろうか。まずは意識を向け、そして現状を知ることだ。

だけである。
これが記事になることが不思議である。引用が9割以上で、ただのお知らせのようなもだと感じた。この記事も編集会議を通過したのかしらないが、このような内容でよければ、いくらでも引用で記事が書けることになる。
僕が掲示板に書いたことは次のようなことである。

はじめまして 山村雅康さん
この「ファルージャから」という記事を読んで、緊急メールについて、ネットで検索すると、たくさんヒットしてびっくりしています。

これが元なのでしょうか?
バグダッド市民からの緊急メール:Kidnapping of Faluja
http://ac-net.org/honor/doc/041107-kidnapping-faluja.php

ただ、せっかく記事とするなら、山村さんの「ファルージャから」の記事はほとんどが引用であることが残念です。引用が読者から明らかになるように書いておくことが正確な記事にもなると思います。
引用であるなら、どこからの引用なのでしょうか。

>転載許可を得て、掲載いたします。

とありますが、誰から転載許可を得られたのでしょうか?訳された原文次郎さんでしょうか、メールを書かれた本人なのでしょうか。それとも、英語の文章を書かれた方でしょうか。イラク市民の緊急メールは英語なのでしょうか?
・・・・

ところで、この差出人不明のメールに興味をもち調べてみた。
http://ac-net.org/honor/doc/041107-kidnapping-faluja.php
を読むと

アンマン滞在中の原文次郎さん(日本国際ボランティアセンター/イラク現地調整員)から、バグダッド市民の緊急メールが転送されてきました。転送・転載可です。世話人会 2004.11.7

とある。つまり「バグダッド市民」がメールの差出人である。
さらに、このファルージャからの市民のメールにはもう一つの訳文がある。
http://groups.yahoo.co.jp/group/TUP-Bulletin/message/430
これは、「千早/TUP翻訳メンバー」による訳である。
こちらの方ではメールのタイトルが「奪われるファルージャ」というタイトルで、差出人が「スレイマン氏からの手紙(バクダットより)」と明記されている。

そこで、スレイマン氏について調べてみる。バクダットにはスレイマン氏がたくさんいると思われるが。まずは、原文次郎さん関係で調べてみると、
「日本国際ボランティアセンター」
http://www.ngo-jvc.net/index.html
イラク現地スタッフであった。
http://www.ngo-jvc.net/jp/aboutjvc/staff_iraq.html
さらに、「スレイマン」で検索すると、
下村健一の「眼のツケドコロ」に興味ある記述があった。
http://www.tbs.co.jp/radio/np/eye/041023.html

―本題のイラクの現状についてですが、今回高遠さんが行なった「緊急支援」とは?

高遠:
ローマに滞在中に、バクダッドのムハンマド医師から、「緊急支援で、抗生物質・コットン・ガーゼ・包帯などを含め、薬品が欲しい」との要請がありました。そこで、イラク現地スタッフのリーダーのスレイマンさんに、バクダッドで薬を調達してもらい、アンマンにいる日本国際ボランティアセンターの原さんと連絡を取り合って、対応してもらいました。

「高遠」とは、人質事件の高遠菜穂子さんのことである。原さんはこのメールの訳者である原文次郎さんのことであろう。(アンマンにいる日本国際ボランティアセンターとある)
ということは、「イラク現地スタッフのリーダーのスレイマンさん」こそ、このメールの差出人のスレイマン氏ではなかろうか。

ここで疑問がある。「囚われのファルージャ」にはメールの差出人をはっきりと「スレイマン氏」とは書かないで、「バクダット市民」と故意にぼかしているのではなかろうか。原さんもスレイマン氏も仲間内の共同のスタッフということがまずかったのだろうか。
このメール、多くの方にMLされて、多くのサイトで取り上げられているが、差出人に言及したものは皆無である。

JANJANでも、記事であるなら、このメールが誰からのもので、どのような経緯でこのメールが入手されたのかを明記すべきではないか。現在、記者の山村雅康さんからは何の返答も無い。