で問われているもの 

 現代思想2005、8月号、P.51に高橋哲哉氏の次のような発言がある。

高橋
閣議決定したときの記者会見(2004年12月9日)ときの記者会見では、戦争に行くんじゃない、人道復興支援活動であり、非戦闘地域に行くんだと繰り返しています。ところが、その中にこういう文句がある。
「危険を伴う困難な任務に決意を固めて赴こうとしている自衛隊員に、多くの国民が、敬意と感謝の念を持って送り出していただきたい。日本国の理念、国家としての意思が問われている。日本国民の精神が試されている」

このことが気になって、調べてた。
小泉内閣総理大臣記者会見
[イラク人道復興支援特措法に基づく対応措置に関する基本計画について]
http://www.kantei.go.jp/jp/koizumispeech/2003/12/09press.html
ここでの、高橋氏の引用部分を見てみると,正確には次のようである。

(一般の国民にはできない、日ごろの厳しい訓練に耐えて、あえて決して安全ではないかもしれない、)危険を伴う困難な任務に決意を固めて赴こうとしている自衛隊員に(対しまして)、(私は)多くの国民が、(願わくば、)敬意と感謝の念を持って送り出していただきたい(と思います)。
 (まさに今、日本がどのようなイラク復興支援に取り組むか、それは憲法の前文にあるように、)日本国の理念、国家としての意思が問われている(んだと思います)。日本国民の精神が試されているんだと思います。(危険だからといって人的な貢献をしない、金だけ出せばいいという状況にはないと思います)。

上記の()で囲まれた部分は、意図的なものかわからないが、削除されている。特に、(まさに今、日本がどのようなイラク復興支援に取り組むか、それは憲法の前文にあるように、)の部分の削除は、読み手が意味を取り違える危険がありそうだと思うが、どうだろう。

8月号の特集靖国問題では、奈倉哲三氏の「招魂  戊辰戦争から靖国を考える」が印象に残った。
これについて

彎曲していく日常
http://d.hatena.ne.jp/noharra/20050804
にて言及がある。