2004-02-09の日記

ここで、藤田氏の発言特別委員会での3つ目の発言を落としていました。迷惑をかけた関係各位への深くおわびします。
なお、愛・蔵太氏(id:lovelovedogさん)にはまちがった概念を与えたようですか申し訳ありません。

なお、藤田祐幸氏の参考人証言の3つ目の部分について掲載します。
今川委員の質問

○今川委員 社会民主党市民連合今川正美です。
 きょうは、参考人の先生方、本当にお忙しい中に貴重な御意見をありがとうございました。私は、まず最初に藤田参考人にお伺いをしたいと思うんですが、実は、きのうの当委員会で、先生が詳しくお話しになった劣化ウラン弾の使用の問題、その危険性の問題に関して川口外務大臣にお尋ねをしたんですけれども、政府の答弁は、米国政府が今回のイラク戦争劣化ウラン弾を使ったことは否定をしている、それから、十二年前の湾岸戦争あるいはコソボ紛争で実際に使ったけれども、その影響、いわゆる国防総省の関連する機関の報告によればほとんど影響はない、このような答弁でありましたが、私は実は、今月イラクの実情調査に行ったときに同行してくれたJVCというNGOの皆さんが、これは戦争が始まる前から、イラクの、先生から御説明のあったような子供たちの医療支援などに熱心に取り組んでいるわけですね。そうした場合に、バグダッドだけではなくてイラクの全土の中で劣化ウラン弾が使われたところをぜひ知りたい、そういうところはやはり危険だから、せっかく支援活動するのに自分たちの健康が損なわれてしまったら支援活動ができなくなるので、ぜひこれは国会で日本政府の責任においてそこをはっきりさせてほしいという切実な願いもあったわけですね。
 そういう観点で、今私が申し上げましたように、いやしくもといいますか、我が国は世界で唯一の被爆国でありながら、この劣化ウランとか放射能による影響、被害というものに関して非常に我が国政府は鈍感なように思うんですね。その点、先生の立場から、きのうの委員会でそういう外務大臣の答弁があったんですけれども、いかがでしょうか。

藤田氏の回答

○藤田参考人 お答えします。
 そういうこともあろうかと、私どもは危険を冒して、まだ戦後の混乱の残っている中で実況の調査をしてきたわけですね。その結果、バグダッドの市内の建物の周辺で大量の劣化ウランの破片が発見されたということ、バスラ及びバグダッドで戦車が被弾をして放射能で汚染されているということを確認したということ、特にバスラの戦車が汚染されていたということは、ちまたに言われておりますように、もしバスラを攻めたのがイギリス軍であるとするならば、劣化ウラン弾を使ったのは、アメリカ軍だけではなくてイギリス軍も派手に使ったという証拠になる。
 それから、先ほど時間がなくて飛ばしてしまいましたけれども、バグダッドバンカーバスターと思われる巨大な爆弾によるクレーター、直径二十メーターほど、深さ七、八メートルもある巨大な穴があちこちにあります。このバンカーバスターの底におりていって放射能をはかりますと、周辺地域の一・五倍程度の放射能が検出される。ということは、対戦車砲の三十ミリ砲弾だけではなくて、バンカーバスターという地中三十メートルほどまで入って炸裂をする爆弾の弾頭に、単にかたくて重い金属だというだけの理由でウランを使った可能性はある。これは、ちまたに言われていることと一致するわけです。
 ただ、一・五倍程度の放射能で、ここにあるというふうに物理学者としては確証は持てませんけれども、有意の差があることは明らかです。
 そういう意味において、今次の戦争においても、アメリカ軍及びイギリス軍がイラク全土にわたって、僕たちが調べたのは点と点であり、しかもバグダッドとバスラという比較的外国人の目に触れやすい場所においての調査でもこれだけのことが出ているわけで、これ以外の中小都市においてどれだけのことが行われているかということについては、全くわかりませんけれども、かなりひどいことが行われているんではないかということが考えられます。
 コソボの戦争のときに、問題が起こったときに、イタリア軍やスペイン軍、フランス軍、イギリス軍の兵士に湾岸戦争症候群と同じような障害が出たわけです。あのときには、NATO軍として入っていった、その同盟軍の兵士の中にいろいろな障害があらわれ、アメリカ軍としては、どこで使ったのだということがNATO軍の内部からの突き上げに遭うことになり、したがって、アメリカ軍は渋々ながらコソボ地域内における劣化ウランを使用した場所についての地図を公表したわけです。私たちは、その地図に示されている地点を一つ一つ確認をして歩くという調査をいたしました。
 今回も、アメリカ軍及びイギリス軍は、人道的な見地に従って、つまり、友軍の被曝というものが、これから日本軍が入れば友軍の被曝は起こるわけですけれども、その友軍の被曝という事態がなければ明らかにしないというのは絶対に間違いであって、現在、イラクのどこにどれだけの量のウラン弾を使ったのかということについての詳細な地図を発表する義務があると思います。
 それからもう一つは、戦車に当たって爆発をして炎上してミクロンオーダーの粒子になって散ってしまったものについては、もう手の施しようのない環境汚染であります。しかし、我々が、バグダッド市内、計画省の周辺で集めた金属ウラン弾は、金属の状態にあるわけです。ここにウランがあるわけですから、これは回収すれば環境の汚染にはならない。今、早急に回収できるものについては回収するという義務がある。これを放置しておけば、徐々に環境に溶け出していって、手のつけようがなくなってしまうということです。
 それから、バスラ南部で確認したことは、地面に大量のウラン弾が撃ち込まれているということ。我々は、アスファルトの道路にあいた無数の穴に測定器を当てると放射能が検出されることを確認しております。ですから、その下にはウラン弾が埋まっていることは明らかです。しかし、その周辺は砂漠です。砂漠には痕跡も残っていないわけです。どれだけの弾があの砂漠に撃ち込まれているのかということを考えると、ぞっとするわけです。しかし、少なくともそこに撃ち込んだということがわかっているんでありますから、英米軍は深さ二メートルまでの土を全部掘り返してでもこのウラン弾を回収するということが、やはり将来世代に対しての責任のとり方であろう、そういうふうに思います。