今回の選挙の争点の一つが、郵政民営化である。今の政治の流れを見ると、政府は「小さな政府」を前面に出す。ただ、この後に続く言葉がないように思う。
表面上は郵政の問題であるかもしれないが、本質は、中央と地方の対立の問題ではないだろうか。自民党の今回の郵政反対議員の切り捨てと、それらに対する対立候補者の擁立は、中央の言うことを聞けという声であろう。
今日、新党「日本」の立ち上げは、まさに、地方の声から政治をつくるという長野県田中知事の地方からのメッセージになる。今回の新党「日本」の予定候補者を見ると、かなり慌てたつじつま合わせのようにも見える。田中知事が虎視たんたんとねらった中央への進出の機会を、今、逃してしまうと、かなりプランの後退を余儀なくされるという思いがあったのだろう。
彼のこの中央進出の思いと、郵政反対派議員の「顔」が欲しいと思う気持ちが一致したのではないだろうか。つまり、このまま小泉流の手法が支持され、構造改革されるならば、地方は完全に中央のいいなりになってしまう。これは、田中知事(新党日本代表)の思惑の地方から中央への路線が閉塞することにほかならない。
かなり、強引な新党立ち上げの裏にはこのような流れがあるのではないだろうか。ただ、田中知事が知事職にとどまるのはいかにも中途半端な感じがする。アンパイ持ちのマージャンでは勝負ができまい。それでも小泉首相からすると、田中知事の登場は、想定外だったかもしれない。
最初に書いたこと。「小さな政府」の続くのは「大きな権力」である。新たな形での中央集権化が進むのであろう。中央による地方潰しの時代が始まったのかもしれない。