政治は利権の収奪と再分配の仕組みと考えれば、今回の選挙騒動の意味が分かってくるように感じる。小泉総裁が自民党をぶっ潰すと言ったのは、多分に、地域利権の執行者(自民党国会議員)をさらしあげることで、どのようにして、本部執行部の権力を向上させるかにほかならないのだろう。亀井氏が、今回の小泉首相の解散の決断を読み違えたのは、解散した選挙が、政治の主体を選ぶ選挙と思ったのであろう。今回の選挙は、政治の主体ではなく、政治手法の選択の選挙であるように思っている。
国会議員が地域に利権の象徴になりえるか、なりえないかを問われるものである。では、地域を離れた国会議員は、何を頼りに活動するのかは明らかのように思う。それは、政党そのものである。
そのためには、地域利権の源泉としての郵政の問題をどうにかしなけれなという、小泉首相の考えは的を射たものである。しかし、同時に、利権を地方から収奪し、それをどのように再分配しようとするのかが見えてこない。いわゆる新自由主義としての「小さな政府」は、結局のところ立法の主体である国会議員を隷属させながら、強大な権力を持つのであろう。司法も同様に国家機能に従属されるのだろう。