岡崎玲子

岡崎玲子さんのサイトのリスト040「沈黙の春」という文章がある。彼女の通っているアメリカの学校(寄宿制私立高等学校)の校長が、イラク戦争の最中に次のようなことを全校生徒に向けてメッセージしたことが記述されていた。
「Study what is taking place before your very eyes.」
「なぜこんな状況に突入したのか、真実を見極めよ。」
このようなことをメッセージできる校長は日本にいるのだろうかと思った。
さらに、「また、国際情勢について自分が情報を受け取る時も分析する時も、人間らしさをどこかに置き忘れないように」と付け加えたそうだ。
「人間らしさ」という表現はとらえかたが難しいが、ヒューマニティーということだろう。ある意味では私益・国益を越えて物事を見るというのであれば、当時のアメリカの情勢の中では、大いなる意味を持っているように感じた。

この一文に次のような部分がある。

大量破壊兵器の話し合いの際、私は議題に“劣化ウラン弾”を付け足しました。すると、クラスでは誰一人そのメカニズムを知らなかっただけでなく、先生まで「使ったのはイラク側でしょ」と発言。この反応にはショックを受けました。そう言われてみると「安全性が確認されている」という言い訳付きとはいえ、米軍が劣化ウラン弾を使用している事実を紹介するアメリカのニュース番組は見たことがありません。私自身はリサーチを進め「米軍は貫通力が強い劣化ウラン弾使用をコソボ空爆に加えて湾岸戦争、そして今回の戦闘に関しても認めているが、周辺住民への健康被害は、フセイン政権が乱用した化学兵器によってもたらされたものだと言い切っている。国際的にはその製造や実用を制限する努力も行われてきたし、身体への長期的な悪影響を見極めるには十分な年月が経っていない」という発表をしました。劣化ウラン弾の危険性については、メディアでも取り上げられている日本と、リスクを問う声が封じ込まれているアメリカでは認識に大きな差があるようです。

ITの進んだアメリカだからこのような状況は考えにくいと思うが、「劣化ウラン弾」については、報道管制されていることがわかる。国民には、このような化学兵器と変わらないほどの武器が使用されていることは一般のアメリカ国民は知らないということである。

アメリカのマスコミは9・11の時はパール・ハーバー以来の本土攻撃だと書き立てるのだから、かなり扇動的だといえるだろう。核兵器放射能汚染について、エノラ・ゲイの修復問題で、核兵器放射能被害についてはそこから排除された。今、アメリカの軍事力が世界を制していることは間違いない。しかし、同時に、その軍事力がどこへ向かうのかは検証する必要があるだろう。その第一の統制者であるアメリカ国民が無知の状態に置かれているのならば、それはアメリカの抱える重要な問題の一つに間違いないと思う。


産経WEB
http://www.sankei.co.jp/news/031213/1213kok039.htm
「我が原爆投下に悔いなし」
http://prime-fe1.lvcablemodem.com/chuckwalla/nukeguide/enolagay/enolagay.html
エノラゲイ」 藤内鶴了作詞/藤内旭須美作曲
http://zipangu.com/enolagay.html