テロルの時代と哲学の使命

すでに何度か指摘されている重要なことであるが、「テロルの時代と哲学の使命」びおいてデリダは、ボッラドリの「ハイデッガー的な意味での出来事ですか?」という問に対して、途中に次のようなことを述べている。(p.138) 新しく「重大な」ものと、見えるの…

辺境から眺める アイヌが経験する近代 テッサ・モーリス=鈴木

テッサ・モーリス=鈴木氏については、朝日新聞のコラムで知って気になっていた。やっと「辺境から眺める」を手に入れることができた。 http://d.hatena.ne.jp/junhigh/20031225 この本のp.22に次のような記述があった。 植民地時代の探検家たち−ラ・ペルー…

−深刻−クリスマス・テロル 佐藤友哉 

熊谷尚人の言葉 六千人のためだけの物語を書くなんてごめんだね。そしてそんなのは、この鍵のかかった部屋で自分だけのために物語を書き続けていられる誘惑には勝てない。 尚人は拒否することは自由だ。別に書くことが義務ではないのだから。しかし、尚人の…

−化身−クリスマス・テロル 佐藤友哉 

熊谷尚人の言葉 自分だけの領域だよ。そしてここは正に理想の場所だ。何に影響を受けることも無く、ずっと物語を書いていられる。ここは僕を理解しない連中の意識よりも外側に存在しているのさ 小林冬子の言葉 トンネルから穴蔵に移動したんじゃ、情況は悪く…

−無視−クリスマス・テロル 佐藤友哉 

熊谷尚人の言葉 「ここは僕の世界の中だ!」ドアが吠えた。 「だから文句をつけるのは不可能だ。って云うか、どこに文句つける部分がある?表面ばかりを大切にしやがる世界なんかと比較すれば、ここは天国じゃないか。食事は塚本さんが持って来てくれるし、…

クリスマス・テロル  佐藤友哉

熊谷尚人は演説する。 僕は世界に飽き飽きしてるんだよ・・・・。いや違うな、絶望・・・・そうじゃない、そう、失望してるんだ。新しくて革新的で斬新なものを望んでいるようなことを云っている癖に、結局手にするものは、ありふれた既存のものばかりの、こ…

ポリティーク

岡田知弘氏に紹介された。 http://www.junposha.co.jp/guide/1sya/poli/ 6号に「多国籍企業支配のなかの地域経済の選択」岡田知弘あり。

新現実 Vol.01 佐藤友哉 『世界』の終わりに

眠れないから、ベッドから起き上がり、イスに座る。机の上のガラクタを少し片づけ、そこの空いたトコロにパソのキーボードをを置き、本を読むためのスペースをつくる。 佐藤友哉氏の「『世界』の終わりに」は、朝の2時か3時に読むといい。僕の中の日陰がじん…

北一輝論

宮台の「亜細亜主義」が気になっていて、古書店に寄ると、村上一郎氏の「北一輝論」があり、購入する。感想は後日。

ベトナム戦争の記録

この本において「ベトナム戦争における重要戦闘解説」(p.242-p.249)という章がある。 この部分の書いた西沢優氏は次のような言葉でこのテキストを始めている。 ベトナム戦争は、世界の戦史のなかで、特有の光彩を放っているベトナム戦争は、ベトナム人民が…

ベトナム戦争の記録

この本を手に入れた。パラパラと見ているが、面白そうだ。1988年12月12日ベトナム戦争の記録編集委員会発行。大月書店。そのうち、感想でも。

アンダーグラウンド

尾形直之さんのインタビューに次のような一文があった。 p.549-550 上野駅で人がけっこう降りて、やっと一息つけました。なんとか吊革が持てたというくらいです。電車に乗っているあいだに何かするか?何もしません。ただ「ああ、座りてえな」と思っているだ…

ねじまき鳥クロニクル

この本の「満月と日蝕、納屋の中で死んでいく馬について」の章で、次のような一文がある。 ひとりの人間が、他のひとりの人間について十全に理解するというのは果たして可能なことなのだろうか。 このような疑問から始まるこの章において、村上春樹は僕とい…

アンダーグラウンド

この本は、地下鉄サリン事件に遭遇した人々のインタビュー集である。それぞれ人々のの平常の生活と、その連続の時間系列で飛び込んできたサリン事件。そのことによって、平常の生活を緊急な感覚(死を覚悟した)で別角度で見ることができる。そのことが二次…

アンダーグラウンド

仕事で東京に行って、地下鉄に乗る時、地震とあの事件のことを思い出すことがあった。そういうこともあって、昨年末に村上春樹の地下鉄サリン事件の被害者への丹念なインタビュー集である「アンダーグラウンド」を買っていた。村上の場合は村上春樹であって…

ねじまき鳥クロニクル

村上春樹の文章を読んでいると、どこか異次元に連れ込まれていくような感じがする。この本の冒頭に猫さがしのために、都市の袋小路に迷い込み、そこで少女と出会う。1994年の出版だから、すでに10年近く過ぎている。第1部の「泥棒かささぎ編」だが、「かささ…